令和4年12月6日、医療法人 こぶしメンタルクリニック理事長の重富 裕司先生をお迎えし、
『臨床の現場で遭遇する支援困難な患者さんたち』と題し、精神疾患についてご講演いただきました。
精神疾患に苦しむ患者さんは年々増加傾向にあり、その病態も多様化しています。
それに加えて2020年からの新型コロナウイルス蔓延に伴い、感染対策と称して社会生活が一変したことで、
精神への負担も大きく、治療に影響を及ぼしていると言われています。
”在宅の現場で、精神症状に苦しむ人にどう関わったらいいのかわからない”というご相談を受けることも多くなり、この研修会を
機に、正しい知識と対応法を身につけたいと考えました。
支援困難となる代表的な疾患5つ『統合失調症』『気分障害』『境界知能・精神遅滞』「『発達障害(主に自閉症スペクトラム障害)』『心的外傷後ストレス障害(複雑性PTSD)』の症状と特徴について事例も交えてお話しいただき、『コロナウイルス流行の
影響』にも触れてご講義いただきました。講演の中で「疾患はそれぞれ独立しておらず複雑に重なり合っていること」「普通に日常生活を送っているように見えても、内面では強い緊張と不安による過剰なストレスを抱えているため、社会復帰には継続的な援助が必要」「コロナ禍の影響として最も大きいのは人との交流が絶たれるという孤立感」「障害を持つ人が単独で立ち直り、回復することは困難なので人(支援者)の関りが必要不可欠」という先生の言葉が印象的でした。
戸畑区内外から総数92名のご参加を頂き、ほとんどの方から「大変良かった」「よかった」とアンケートに回答いただきました。”無理に受診に繋げようとしないで、話を傾聴することが大事。長い目で見て、何か出来ればいいかなと思うように接するように考えていきたい”など多数感想が寄せられました。
この冬、新型コロナ第八波の到来、インフルエンザの流行が囁かれています。マスクの着用とソーシャルディスタンス必須で、
コミュニケーションを阻む生活がまだまだ続きそうです。感染対策と同時に、心の健康にも気を配りたいです。
※この研修会では、認知症の問題行動・依存症全般の内容にはふれていません
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