【合同】令和5年度在宅医療介護従事合同研修会を開催しました。

8月23日に、小倉センター、若松センター合同で、施設看取りやACP、グリーフケア・エンゼルケアをテーマに、令和5年度 在宅医療介護従事者合同研修会を開催しました。

一部 「施設での看取り」について

講師:社会福祉法人兼恵園 特別養護老人ホームシルバーサンホーム

介護・看護課長 橘 恭平 先生

二部 「納棺師がお伝えする死後の変化と処置」

講師:寄り添い処こころ 代表 中村 鮎美 先生

 

一部では、平成19年より看取り介護を開始され、現在まで施設で様々な取り組みをされてこられた橘先生より、ご利用者やご家族への意向確認について、看取り介護や看取りカンファレンスの実際、職員の不安を取り除くための取り組みなど、より具体的にわかりやすく説明していただき、多くの参加者の皆さまより大変参考になったとご意見をいただきました。ご利用者やご家族に対しては、厚生労働省のガイドラインに基づき意向確認をされ、意向の変更も可能であることを伝え、常に意向の変化を把握できるようなシステムづくり、そして何かイベントや状態変化がなくても定期的にカンファレンスをされている現状から、安心して最期を迎えられるような環境を提供されていることがよくわかりました。ご家族は、最期の瞬間に立ち会えないと後悔の言葉をこぼす方もおられますが、「誰も気が付かないほどに、穏やかに安らかに旅立てたということ、それはなによりも、本人が楽に亡くなった証拠」という先生のお言葉は、ご遺族のグリーフケアに繋がるのだと感じました。

また、看取りに関わる職員が最もストレスを感じやすい急変に対して、事前にご利用者とご家族へ急変時の意向確認を行い、DNARの方のリスト作成・情報共有することで、勤務時の不安やストレス緩和につなげておられました。また、全職員へ看取りに関するアンケートを実施し、結果に対して一つずつ不安を取り除くことで、看取りに関わる職員のほとんどが、看取り開始当初よりも、看取りに対する抵抗がなくなっている点はとても印象的でした。

二部では、医療・介護の現場では、なかなか関わることのない納棺師の中村先生よりご講演いただきました。ご遺体の変化やご遺体に応じたケアの方法、綿花の詰め方、普段施設や病院でお見送りをする段階までではわからないことなど、具体的な説明でとてもわかりやすい講演でした。葬儀社へ引き継ぐまでにできること、それは「保湿」「保冷」ということを学ぶことができました。

また、エンゼルメイクの実践においても、安価で揃えやすいメイク道具等の紹介や、具体的なエンゼルメイクの手順やポイント、注意点等、実演しながらご講演いただき、現場での実践に繋がる大変学びの深い内容でした。エンゼルケアで、ご本人の元気だったころの姿に戻すことで、ご家族はもちろん、関わっていたスタッフの心も癒され、グリーフケアに繋がるということを学びました。何より、ご家族のお気持ちを第一に優先し、心に寄り添うことの重要性を改めて認識することができました。

多死社会を迎え、今後さらに死を迎える場所も多様化してくることが予測されます。どこでお亡くなりになっても、ご本人の最期をご家族が穏やかに納得のいくお別れができるよう、一人でも多くの支援者がグリーフケアを意識し関われる環境づくりの必要性を感じました。

是非、今回の研修で感じたことを、ご自身の職場の方へ伝えていただくことで、今後のグリーフケアにつなげていただければと思います。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

 

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