【合同】令和5年度多職種連携合同研修会を開催しました

去る令和5年11月9日(木曜日)に北九州市立商工貿易会館 2階多目的ホールにて集合研修会を開催しました。

昨今、医療・介護サービスを提供する現場では予想もしない暴力・ハラスメント事件が発生しています。2022年の埼玉県で起こった事件を受けて、実行委員会で「我々にとって、決して他人事ではない事件だ。何か研修ができないか」というご意見があがっていました。2023年5月に新型コロナウィルス感染症が「5類感染症」になった事を受け研修会を開催することとなりました。

1部 講演

利用者・患者とその家族からの暴力・ハラスメント対応

~医療・介護従事者が安心して働くための基礎知識~

講師  関西医科大学看護学部・看護学研究科

教授 三木 明子先生

三木先生には、私たち従事者が知っておくべき暴力・ハラスメントの法的分類や解釈を事例を交えながら詳しくお話していただきました。そして、大事なことは被害を受けた職員を事業所が守るという事!を教えていただきました。

あなたが所属する事業所のスタッフが訪問先で身体的または精神的な暴力やセクシャルハラスメントを受けたと報告をされたとき、どのように対応されていますか?

第一声、どのように声を掛けていますか?望ましい声掛けは、「話せることで構わないから、何があったか話してもらえますか?」だそうです。もし、身体に暴力を受けていたら受診も必要です。相手が誰であっても組織として被害者を守り暴力行為は許さないという毅然とした対応は、とても大切なことだという事が三木先生のお話から分かりました。

 

2部 グループワーク

2つの事例を用意し、16の多職種グループを編成しました。

職場のスタッフから暴力・ハラスメントの相談や報告があった時の考え方や対応について、事例をもとに意見・情報交換しました。最初はみなさん遠慮がちに静かな雰囲気で始まったグループワークも後半は活発に意見交換をされていたようです。

最期はグループ発表の時間を設けていくつかのグループに発表をしていただきました。

三木先生からのアドバイス

◆契約書・重要事項説明書などへの記載について、あまり詳細に書きすぎて逆にそこを詰められる場合もあるので注意が必要とのことでした。「お願い文」という形もあります。

◆依頼時に「男性がいい」とか「女性にお願いしたい」など、性別を指定してくる場合は理由を確認すること、また、性別で仕事をするものではないという事をきちんと事業所としてルール作りをしておくのも良い。とのことでした。

 

今回のご講演の中で、三木先生から情報提供があったものをピックアップしました

〇厚生労働省HP「介護現場におけるハラスメント対策」 こちら

〇カスタマーハラスメント対策 こちら

〇在宅ケアを受ける患者・家族からの暴力・ハラスメント防止方策の構築 こちら

〇みまもりアイテム こちら

 

研修会アンケートはこちらこちら

アンケートにありました質問につきまして、三木先生からの回答を以下に掲載します。

Q;「一対一の時に暴言を受けた際、その利用者が事実を否認した時、どう対応したらいいのでしょうか」

A;暴言を受けた際、3つのカエルを使い、エスカレートを防ぐ、時間を決めて対応する。その場で「・・・・(暴言の内容)を言うのは止めてください。」と言った際、利用者がその事実を否認した場合、どのように否認したかを記録に残すようにしてください。否認したとしても、少しは抑止効果があります。

グループワークのまとめ こちら

グループワーク時の記録やアンケートにご協力くださいまして、ありがとうございました。

今後も、医療・介護に従事する皆さまのニーズにお応えできるよう研修企画をしてまいります。